「1級電気工事施工管理技士を取りたい。でも、現場が忙しすぎて勉強する時間がない」——電気の施工管理をしていれば、誰もがぶつかる壁だと思います。
私はサブコンで施工管理をしていた5年目に、この資格を受験し、第一次検定・第二次検定とも一発で合格しました。当時の私の条件は、一人現場の担当で、休みは日曜だけ。平日の勉強は不可能でした。
それでも受かった方法は、シンプルに言えば「日曜を丸ごと勉強に変えて、教材は過去問に絞る」です。この記事では、その具体的な時間割と勉強のやり方を、実体験でお伝えします。
なお、私が受験したのは制度改正前(旧「学科試験・実地試験」の時代)です。令和3年度の改正で名称が「第一次検定・第二次検定」に変わり、第一次検定の合格者には「技士補」の資格が与えられるなどの変更がありました。この記事では現行の呼び方で統一しますが、受験資格や試験内容は改正で変わっている部分があるため、最新の情報は必ず試験実施機関の公式サイトで確認してください。勉強のやり方そのものは、今も変わらず通用するはずです。
結論|激務でも一発合格できた。鍵は3つ
先に、私の合格の要因を整理します。
- 勉強は日曜だけと割り切った(平日にやろうとして挫折するより、確実にできる日に全集中)
- 教材は2冊だけ。過去問中心に絞った(手を広げない)
- 実務経験を得点源にした(第二次検定は現場経験がそのまま武器になる)
期間は3月から試験までの約4ヶ月。日曜だけなので、勉強した日数は16日程度です。「たった16日?」と思うかもしれませんが、その1日の中身が普通ではありませんでした。次で説明します。
私の受験条件|休みは日曜だけ。だから日曜を12時間にした
当時の私は一人現場の担当で、土曜も出勤。勉強に使えるのは日曜だけでした。その頃の労働環境は、別記事の残業記録のとおりです。
施工管理業務 サービス残業のリアル | 勤務表と実態の差を記録で公開
平日に勉強できない以上、答えは一つで、日曜を丸ごと勉強日にすることでした。実際の時間割がこちらです。
| 時間帯 | 場所 | やること・ポイント |
|---|---|---|
| 9:00〜14:00 | 図書館 | 開館と同時に入って午前の席を確保。1日のメイン枠(5時間) |
| 14:00〜15:00 | — | 休憩・昼食 |
| 15:00〜18:00 | 家 | 午後の図書館は席が埋まるため自宅で継続(3時間) |
| 18:00〜20:00 | 図書館 | 夕方は席が空くので再入館。閉館まで(2時間) |
| 20:00〜21:00 | — | 休憩・夕食 |
| 21:00〜23:00 | 家 | 1日の仕上げ。その日の間違いの見直し(2時間) |
| 合計 | 勉強 約12時間/日 |
これを日曜のたびに繰り返しました。16日×12時間で、約190時間。「勉強日は少ないが、総量は確保する」——忙しい人の資格勉強は、この形が現実的だと思います。
正直、日曜が丸ごと潰れるのはツラいです。ただ、期間を4ヶ月と区切っていたので「この夏までの我慢」と割り切れました。だらだら半年〜1年勉強するより、短期集中のほうが精神的にも楽です。
場所の戦略|カフェではなく図書館
勉強場所は、家と市の図書館、二拠点でした。特に図書館を強くおすすめします。
カフェは、食事・お茶・雑談と、周囲の目的がバラバラで雑音が多い場所です。一方、図書館は「静かに過ごすことが前提の施設」なので、周りも黙って本を読むか勉強している。環境ごと集中に向いているのです。長時間いても費用がかからないのも、毎週通う身には効きます。
私の場合は家の近くに図書館があったのが幸運でした。上の時間割で午後に一度家へ戻っているのは、午後の図書館は席が埋まりがちだからです。お住まいの図書館の混み方に合わせて、「午前は図書館・午後は家」のように組み合わせてください。
教材と解き方|2冊だけ。書いて覚える
使った教材は2冊だけです。
- 過去問集(5年分):メインの1冊
- 基本テキスト(分野別の解説がまとまったもの):調べもの用の1冊
やり方はシンプルで、ノートにひたすら過去問を解く → 答え合わせ → 間違えた問題や曖昧な部分を基本テキストで調べる → 要点をノートに書いて覚える、の繰り返しです。過去問は5年分を全問、最低2周しました。
ポイントは「書く」ことです。読むだけでは、私は覚えられませんでした。手を動かして書くと、記憶への残り方が明らかに違います。ノートは綺麗にまとめる必要はなく、解く・書き殴る・要点だけ残す、で十分です。
もう一つは「絞る」こと。電気理論・法規・施工管理法といった出題分野の中でも、頻出のところに重点を置いて勉強しました。私の場合は後述する会社の研修で「ここが出る」と指摘された分野に絞りましたが、多くの過去問集にも頻出分野の分析は載っています。全分野を均等にやろうとしないことが、時間のない人の鉄則です。
会社の研修という追い風|使えるものは無理やりでも使う
私には幸運な追い風がありました。会社が資格取得に力を入れており、1級電気工事施工管理技士第一次検定対策研修(3日間×2回・計6日間)があったのです。ここで試験の要点(どの分野が出るか、何を優先すべきか)を掴めたのは大きかったです。
現場は激務でしたが、平日の研修に無理やりにでも参加しました。資格は社外からの評価につながる、つまり自分の市場価値に直結すると分かっていたからです。もし会社に研修や受験支援の制度があるなら、忙しさを理由に見送らず、使い倒してください。
研修がない会社の方も、悲観する必要はありません。研修で得たものの実体は「頻出分野の情報」なので、市販の要点集や資格学校の短期講習でも代替できます。差が出るのは情報の有無より、日曜12時間をやり切るかどうかのほうです。
第二次検定|最大の対策は「現場」だった
第一次検定(筆記)に合格した後、第二次検定(記述)の対策を始めました。比重で言えば、勉強時間の大半は第一次検定に使い、第二次検定の対策は短期間です。
それで間に合った理由は、現場代理人としての実務経験そのものが対策になっていたからです。第二次検定では工程管理や安全管理について記述しますが、日々現場でやってきたことなので、特別な暗記をしなくても書けました。一人現場で工程・品質・安全をすべて自分で回してきた経験が、ここで効きました。
とはいえ、ぶっつけ本番ではありません。第一次検定の合格発表後に第二次検定も同様に、会社の研修が3日間あり、そこで指摘されたポイントに沿って、自分の現場経験の記述の下書きを事前に作成しました。経験記述は「書ける内容を持っているか」と「試験の形式に整えてあるか」は別問題なので、下書きの準備だけは必ずやってください。
直前期にやったこと|特別なことはしない
試験直前も、基本は変えませんでした。日曜に集中して勉強、の繰り返し。唯一足したのは、本番1週間前から、寝る前に自分のノートを読み返すことくらいです。新しい教材に手を出したり、徹夜で詰め込んだりはしていません。4ヶ月続けた型を、最後まで信じるだけでした。
これから受ける人へ|資格の先にあるもの
最後に、この資格を取る意味について。1級電気工事施工管理技士は、取ってからが本番です。私の転職活動では、この資格は「有利になるもの」ではなく「無いと土俵に上がれない入場券」でした。求人票の実態やエージェントに言われた言葉は、こちらの記事に書いています。
1級電気工事施工管理技士は転職で有利?実際は「有利」より重い意味があった
いま激務の中で勉強している(しようとしている)あなたへ。日曜が潰れる4ヶ月は確かにしんどいですが、この資格はその後のキャリアの選択肢を静かに増やし続けてくれます。私は5年目に取得し、その資格を持って6年目に転職しました。勉強を始めるなら、「取った後にどう使うか」まで見据えておくと、日曜12時間の意味が変わってきます。
登録したからといって、転職しなければいけないわけではありません。「この資格を取ったら市場価値がどう変わるか」を先に聞いておくのも、勉強のモチベーションを作る一つの方法です。
まとめ|日数は少なくていい。密度と割り切りで受かる
私の勉強法をまとめると——
- 期間は約4ヶ月
- 勉強は日曜だけ(計16日・約190時間)
- 場所は図書館と家
- 教材は過去問集と基本テキストの2冊
- 書いて覚える
- 頻出分野に絞る
- 第二次検定は実務経験+記述の下書き準備
特別な才能も、高額な講座も使っていません。
平日に勉強できないことに罪悪感を持つ必要はありません。確実に確保できる日に、全部を注ぐ。激務の施工管理にとって、それが一番現実的で、実際に受かる方法だと、私の経験から言えます。


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