デベロッパーを3年で辞めた理由|設備系コンサルへ2回目の転職記録

扉を開けて進む人のピクトグラム|デベロッパーからコンサルへの2回目の転職 転職体験記
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サブコンからデベロッパーへ転職して、働き方は劇的に変わりました。土日祝日の休み、定時退社、在宅勤務——その体験は以前の記事に書いたとおりで、今も嘘偽りなく「転職して正解だった」と思っています。

それでも私は、デベロッパーを約3年で離れ、31歳で設備系コンサルタント会社へ2回目の転職をしました。

「働き方が良かったのに、なぜ?」と思いますよね。この記事では、その理由と、2回目の転職活動のリアル(1回目との違い・かかった期間・面接での答え方)を、すべて実体験で書きます。1回目の転職を考えている方にも、「転職先を選ぶ軸」の参考になるはずです。

結論|辞めた理由は「働き方」ではなく「評価と社風」

先に整理しておきたいのは、デベロッパーの働き方には最後まで不満がなかったということです。休日、労働時間、仕事内容——このあたりは理想どおりでした。

それでも辞めた理由は、働き方とは別の軸にありました。評価・待遇の仕組みと、社風です。

転職を経験して痛感したのは、転職の満足度は1つの軸では決まらないということです。働き方・仕事内容・評価待遇・社風・人間関係——1回目の転職で「働き方」は手に入りましたが、別の軸で合わない部分が残った。それが2回目の転職の出発点でした。

デベロッパーを離れた理由

① 同じ中途入社なのに、給与のベースが違った

入社を決めた理由の一つは、「中途採用者が多い」と聞いていたことでした。同じ立場の人が多ければ馴染みやすいだろう、と。実際に配属先は中途入社者が大半で、その点は間違っていませんでした。

しかし、入ってから知った実態があります。同じ中途入社でも、入社した時期によって給与のベースが異なっていたのです。ある時期より前に入社した中途の方々は新卒プロパーと同じ給与水準。一方、私を含む後から入社した組は、それより低いベースからのスタートでした。

建築・設備の実務経験を評価されて採用されたはずなのに、経験の浅い新卒プロパーより低い評価ベースに置かれる——ここに、私はどうしても納得がいきませんでした。同じ「中途入社」という言葉の中に、事実上の区分がある。私は不遇な側の区分に入っていた、というのが率直な実感です。

② 立場が上の人が、下の人に高圧的な社風

もう一つは社風です。その会社では、立場が上の人が下の人に対して、基本的に上から目線で接する空気がありました。

象徴的な日常の一場面を挙げると——10時開始の打ち合わせで待っていたところ、相手は前の会議が押したとかで5分ほど遅れてきました。それ自体は仕方ありません。ただ、「悪い悪い」の一言すら、ありませんでした。遅れても下の立場の相手には謝らない。それが日常として定着している空気でした。

③ 振り返れば、サインは最終面接で出ていた

そして、これは転職を考えている方に一番伝えたいことなのですが——この社風のサインは、実は入社前の選考の時点で出ていました。

最終面接の日、開始予定の時刻から30分以上、待合室で待たされました。社内の事情で押すことはあるでしょう。しかし、面接の冒頭でも、案内役の人事の方からも、遅れたことへの謝罪は一言もなかったのです。

当時の私は「そういうこともあるか」と流しました。志望度が高いと、違和感は無意識に打ち消してしまうものです。でも今なら分かります。選考の場で感じた小さな違和感は、入社後の日常の予告編です。あの30分は、入社後に何度も見ることになる光景の最初の一回でした。

2回目の転職活動|準備4ヶ月+活動3ヶ月で決着

2回目の転職活動は、1回目より大幅に短くなりました。

  • 事前準備(エージェント面談・自己分析・書類作成):4ヶ月(1回目は12ヶ月)
  • エントリー・面接・内定:3ヶ月
  • その後、有給消化1ヶ月を経て退職

短縮できた理由ははっきりしています。1回目の転職で作った資産が使い回せたからです。自己分析の結果、長所・短所の整理、職務経歴書のベース——ゼロから作った1回目と違い、2回目は「デベロッパーでの3年分を追記して更新する」作業で済みました。1回目の転職活動で丁寧に準備したことは、無駄になるどころか、2回目で利息付きで返ってきた実感があります。

エージェントは、1回目と同じ会社・同じ窓口の担当者にお願いしました。私が利用したエージェント会社は、窓口の担当者が全体を見つつ、応募先の企業ごとに別の担当者が付く分業型の仕組みです(知人が使った会社は1人のエージェントが最後まで見てくれるタイプだったので、会社によって仕組みは異なります)。サブコン業界も私の経歴も理解してくれている窓口担当と2回目を戦えたのは、大きな安心材料でした。

その担当者と最初に出会ったときの面談で、何を聞かれ、私が何を確認したのかは、こちらに詳しく書きました。
転職エージェント面談で聞かれたこと|施工管理が「業界に詳しい担当者」を選ぶ方法

結果は、応募6社、内定2社、落選2社、途中辞退2社でした。

一番の難所|「なぜ、あの会社を辞めるのか」への答え方

2回目の転職活動で最も苦労したのは、志望動機でも経歴の説明でもなく、退職理由の伝え方でした。

前職は知名度のある企業です。エージェントからも「『なぜあの企業を辞めてまでうちに?』と思われることが多い」と言われました。しかも私の本当の理由は、待遇と社風というネガティブ寄りのもの。取り繕った前向きな理由でごまかすべきか、悩みました。

私が選んだのは、正直に伝えることでした。中途入社の評価の仕組みに納得できなかったこと、社風が合わなかったこと。事実を、感情的にならず淡々と話しました。

そしてもう一つ、エージェントに面接の前後でフォローしてもらいました。面接前に「本人はこの点で悩んで転職を決めている」と背景を伝えてもらい、面接後にも補足してもらう。自分の口からの説明と、第三者からの客観的な補足の二段構えです。ネガティブな退職理由は、自分一人で伝え切ろうとせず、エージェントを翻訳者として使う——これが私の実感として、一番うまくいく方法でした。

この質問以外に面接で何を聞かれたのか、実績の語り方や逆質問も含めた面接全体の記録は、こちらにまとめています。
施工管理の転職面接で聞かれたこと|2回の転職で経験した質問と答え方

設備系コンサルの仕事と、「川上も川下も知っている」という武器

現在の仕事は、発注者側の立場で建設事業(建築・電気・機械)を技術的に支援する建設コンサルタントです。見積書の査定、VE・CD案の提案、設計図のチェック、概算金額の算出——日々の業務の中身は、こちらに詳しく書きました。
設備系コンサルタントの仕事内容|元施工管理が書く実務のすべて

2回目の転職の面接で評価されたのは、サブコン(現場の川下)とデベロッパー(発注の川上)の両方を経験していることでした。工事がどう作られるかを現場で知っていて、発注者側が何を求めるかも内側から知っている。プロジェクト全体の流れが分かる人材として、この組み合わせは想像以上に評価されました。

1回目の転職(サブコン→デベロッパー)が、結果的に2回目の市場価値を作っていたわけです。

転職後の答え合わせ|解消されたこと、正直に大変なこと

解消されたこと:現在の会社は新卒採用がなく、全員が中途入社です。評価も全員が同じテーブル。「入社時期によって給与のベースが違う」「中途の中に有利な組と不利な組がある」——前職で私を悩ませたあの構造が、そもそも存在しません。同じ経験を持つ人が、同じ物差しで評価される。当たり前のようで、私にとっては転職して初めて手に入った環境でした。

正直に大変なこと:良いことばかりではないので、コンサル特有の苦労も書いておきます。見積の妥当性を精査する業務で、客先が期待するほどの減額効果が出ないことがあります。私たちの仕事はコストカッターではなく「妥当性の確認」なので、適正な見積は適正だと伝えるのが正しい仕事です。しかし「もっと下がると思っていた」という客先に、その立場と結果を説明して納得してもらうのには、毎回苦労します。どの立場にも、その立場ならではの難しさはあります。

2回の転職から言える、3つの教訓

① 選考で感じた違和感を、無視しない

30分待たされて謝罪がない——その瞬間に感じた小さな引っかかりは、入社後の日常の予告でした。選考は企業があなたを見る場であると同時に、あなたが企業の素を観察できる唯一の機会です。違和感をメモして、入社判断の材料に含めてください。

② 評価・待遇の仕組みは、入社前にエージェント経由で確認する

「中途入社者の評価はどういうテーブルか」「中途と新卒で差はあるか」——自分では面接で聞きにくいことこそ、エージェントに代わりに聞いてもらえます。私は1回目の転職でこれをやり切れていませんでした。同じ後悔をしないでほしいです。

③ 最初の転職の準備は、2回目で利息付きで返ってくる

自己分析も書類も、1回目に丁寧に作れば2回目は更新だけで済みます。いま1回目の転職準備をしている方は、その時間を「今回だけのコスト」ではなく「キャリア全体への投資」と考えて、丁寧にやる価値があります。

登録したからといって、転職しなければいけないわけではありません。評価の仕組みや社風といった「求人票に載らない情報」を集めることこそ、エージェントの使いどころです。

まとめ|転職の満足は、複数の軸で決まる

1回目の転職で「働き方」を手に入れ、2回目の転職で「評価と社風」を整えました。振り返って思うのは、転職先は働き方・仕事内容・評価待遇・社風という複数の軸で見るべきで、そして軸の優先順位は、働いてみて初めて分かることもあるということです。だから、2回目の転職は失敗の証ではなく、軸の解像度が上がった結果だと私は捉えています。

1回目の転職(サブコン→デベロッパー)の全記録はこちら。
施工管理からデベロッパーへ転職した話|準備1年・活動2ヶ月の全記録

転職のタイミングに迷っている方はこちらへ。
施工管理の転職は何年目がベスト?6年目で転職した私の結論

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