サブコンを辞めたい|キツさの正体は「立場」だった。6年働いた私の結論

巨大な荷物に押し潰されそうな人のピクトグラム|サブコンを辞めたい悩み 施工管理のリアル
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「同じ現場で働いているのに、なぜ自分たちばかりこんなにキツいのか」——サブコンで施工管理をしていると、この理不尽を毎日のように感じると思います。ゼネコンの職員は帰ったのに、自分はまだ現場にいる夜。ありますよね。

私は電気サブコンで施工管理を6年間経験しました。元請けの現場も下請けの現場も経験した上で言えるのは、サブコンのキツさの多くは、あなたの能力や根性の問題ではなく、「立場」の構造から生まれているということです。

この記事では、私が実際に経験した場面を挙げながら、サブコン特有のキツさの正体と、立場を変えたらどうなったかを書きます。

結論|サブコンのツラさは「個人」ではなく「立場」の問題

先に前提を整理します。サブコンは元請けとして施工することもありますが、多くの現場では下請けとして、ゼネコンなど元請けの下に入ります。そして下請けの立場では、自分の段取りや頑張りではどうにもならない構造的なキツさが発生します。

「自分の要領が悪いからだ」と思っている方にこそ読んでほしいのですが、これから挙げる6つの場面は、誰が担当しても同じことが起きます。個人の問題ではなく、立場の問題だからです。

サブコン特有のキツさ|私が経験した6つの場面

① 元請けの遅れは、下請けの深夜残業で吸収される

忘れられない一日があります。ある現場で、予定ではこうなっていました。

  • 建築工事:軽量鉄骨(LGS)建込み → 2日前に完了予定
  • 電気工事:ボックス建込み → 2日前から本日まで
  • 建築工事:ボード貼り → 翌日から開始

ところが、建築側の資材手配ミスでLGS建込みが遅延。当日の朝の時点で、LGSは50%程度しか建っていませんでした。しかし工期は迫っており、ボード貼り業者の都合で翌日の日程は動かせない。つまり、電気のボックス建込みは何がなんでも今日中に終わらせるしかない状況になりました。

結果、職人さんと共に夜まで作業し、ボックス建込みが終わったのは24時過ぎ。施工状況の現場写真も撮る必要がありますし、何より職人さんが作業しているのに、現場代理人の私が先に帰るわけにはいきません。終電はとうに無く、その日は家に帰れませんでした。

ここで重要なのは、遅れの原因は建築側(元請け側)の資材手配ミスだったことです。それでも、しわ寄せを深夜残業で吸収するのは下請けの電気工事でした。これが下請けの構造です。

② 同じ下請けでも、設備系への扱いは違う

この日、もう一つ突き刺さったことがあります。遅延していたLGS建込みが終わったのは20時頃。ゼネコンの職員は、そこで普通に帰りました。残された私たちに掛けられた言葉は——

「あとは頑張って」

自分たちの工程が遅れたせいでこうなっているのに、他人事のような一言でした。私たちはそこから24時過ぎまで作業です。

6年間で感じたのは、ゼネコンは軽量鉄骨、ボード、塗装といった建築系の業者には協力的な一方、電気・機械・衛生といった設備系のサブコンには、同じ下請けという立場なのに非協力的な傾向がある、ということです。同じ現場で同じように働いているのに、扱いが同じではない。この「見えない序列」も、サブコンのキツさの正体の一つだと思います。

③ ゼネコンと職人さんの間で、板挟みになる

受電してすぐの、バタバタしていた現場でのことです。ゼネコンの担当者から、「早く電気つけてよ」と言われました。

ゼネコンが急ぐのには理由があります。工事中の照明やコンセントは、建築側が用意した仮設のものです。本設の電気が点けば、その仮設を片付けて引き上げられます。

一方で、電気の職人さんの段取りは違いました。そのときはまだ、複数ある盤の中で、分岐ブレーカーへケーブルをつなぐ作業(盤内結線)の最中です。盤内結線は電気の職人さんだけで完結する作業なので、先に全部終わらせて、そのあとまとめて照明器具を取り付けたい。途中で器具付けに行っても、まだ内装が仕上がっていないからです。

正直、電気の現場代理人としては、職人さんの意見が正しいし、効率的なやり方だと思いました。

ただ、「できません」と突っ張れば、ゼネコンとの関係がこじれます。私が経験した範囲では、関係がこじれると、現場の費用の分担などで不利になることもありました。

そこで、全部ではなく場所を絞りました。内装が終わっている階の廊下など、送電まで安全にできるエリアに限定して器具を付け、送電して本設に切り替えたのです。

協力して1つの現場を完成させるのが目的なので、相手に寄り添うことも大事だと思っています。ただ、正しいと思う段取りでも、自分の思ったとおりには進められない。間に立つ下請けならではのキツさでした。

④ 一緒に働く人と「働く前提」が違う

現場の職人さんは常用や一人親方が多く、働けば働くほど収入が増える働き方です。だから土曜も現場に出るのが通常で、それ自体は合理的な選択です。

象徴的だったのは、ある金曜日のこと。あと1時間ほど残業すれば終わる作業が残っていたのですが、職人さんの答えは「休むと稼げないから、明日(土曜)やるわ」。実際、土曜は1〜2時間の作業で午前中に終わりました。私としては、金曜に少し残って終わらせて土曜を休みにしたかった——でも、働く前提が違うので、同じ結論にはならないのです。

職人さんが悪いわけではありません。ただ、「働くほど収入になる人たち」と「土曜に出ても代休(建前)しかない管理側」が同じ現場で動いている以上、休みの取り方の主導権は、管理側には無いに等しいのです。

ちなみに私は3年目から一人現場でした。管理側が自分一人しかいない現場で、どう職人さんと連携し、どう時間を作っていたのか——実際の工夫はこちらにまとめています。

一人現場の乗り切り方|3年目で現場代理人になった私が身につけた5つの習慣

⑤ 現場が遠いと、朝はもっと早い

サブコンの施工管理は、朝が早く、夜が遅い仕事です。私の場合、7時前には現場か現場事務所に出勤し、退社は23時〜24時。基本、終電間際でした。

そこに、現場までの距離が加わります。私がいちばん遠かった現場は、家から片道2時間(電車とバス)でした。

遠い現場で怖いのは、朝の電車です。人身事故などで電車が遅れると、朝礼前の準備ができなかったり、朝礼そのものに間に合わなかったりするおそれがあります。単純に朝が早くなり、睡眠時間も削られます。

仮住まいをしたこともあります。新幹線などで毎日通うより、現場の近くに部屋を借りたほうが安くつくからです。そうなると、自分の家には基本いません。家に帰るのは、数か月に1回、1日だけという生活でした。

家でしか楽しめない趣味がある人には、特にキツい生活です。たとえば車。仮住まいには持っていけず、駐車場を借りるなら実費です。私には、そこまでするお金はありませんでした。インテリアも同じで、部屋に置いたものは、現場が終わったら自分の家へ持って帰らなければなりません。単純に面倒ですし、お金もかかります。

⑥ そして、代休は消えていく

土曜に出勤したら平日に代休を取る——それが会社の建前です。しかし仕事量が多くて取れるはずもなく、期限が切れた代休は無かったことになります。

私の実例を挙げます。残業135時間だった月は、土日フルで出勤していたので8日分の代休が発生し、その8日すべてが消えました。通常の月も、一人現場だったため土曜は毎週出勤で、月4日分の代休がコンスタントに消えていく状態でした。

消えていたのは、代休だけではありません。勤務表に載らない残業は、年間386時間ありました。記録のある1年で計算すると、その分の残業代が払われていたら、年収は約16%多かったことになります(会社が実際に払っていた単価での試算です)。

1年分の記録と、この試算の中身は、こちらで公開しています。

施工管理の残業は月何時間?|1年記録したら月71時間だった

サブコンを辞めるべきか|判断の分かれ目

ここまで読んで、「やっぱり辞めたほうがいいのか」と感じた方もいると思います。

私の答えは、辞めるべきかどうかは、キツさの原因がどこにあるかで決まるです。原因によって、取るべき行動が変わります。

サブコンを辞めるべきかの判断基準|すぐ動いたほうがいいケースと、まだ動かなくてもいいケースの比較

すぐ動いたほうがいいケース

① 心身にサインが出ている
眠れない、食欲がない、日曜の夜に動悸がする——こうしたサインが出ているなら、原因の分析より先に、環境から離れることを考えてください。私の周りにも、限界まで我慢して体を壊した人がいます。

② 残業代が正しく支払われていない
私は1年間記録して、勤務表に載らない残業が年386時間あることを知りました。これは会社の問題です。改善を待つより、動いたほうが早い。

③ 若手が次々に辞めている
自分だけの問題ではなく、会社の構造的な問題です。残った人に負荷が集中するので、状況は悪化します。

②の残業代について、私の年収の中で残業代がどれくらいを占めていたかは、こちらに書きました。

サブコン施工管理の年収は残業代が4分の1|毎月の給料なら3割だった

まだ動かなくてもいいケース

① 繁忙期のピークにいる
竣工前など、期間が限られた忙しさなら、判断はその後でいい。一番しんどいときの決断は、冷静さを欠きます。

② 資格の受験が近い
1級電気工事施工管理技士など、実務経験の要件が絡む資格は、取ってから動くほうが有利です。私も資格を取ってから転職しました。

判断できないなら、記録から始める

「辞めたいけど、甘えかもしれない」と迷うなら、まず自分の労働時間を記録してください。

勤務表の残業時間と、実際に働いた時間。この2つを毎日メモするだけです。私はこれを1年続けて、386時間という差を見つけました。数字が出れば、感情ではなく事実で判断できます。

でも、電気の仕事は好きだった|だから「切り分け」が必要

ここで、あなたに一度考えてほしい問いがあります。キツいのは「サブコンという立場」なのか、それとも「この仕事そのもの」なのか——という切り分けです。

私の場合、答えははっきりしていました。電気の仕事は好きだったからです。

電気は目に見えません。その見えないものを、自分の描いたとおりに工事してもらい、照明が点き、スイッチでON/OFFでき、コンセントで充電でき、空調が動く。動力なら検相器が正しい回転方向に反応する。描いたとおりに動いた瞬間は、本当に嬉しいものです。

初めての一人現場の受電の日、廊下の照明が一斉にパッと点灯した瞬間の爽快感は、今でも忘れません。それまでの苦労が、心ごと晴れやかになった瞬間でした。

だから私の結論はこうなりました。電気の仕事は続けたい。キツいのはサブコンという立場のほうだ。なら、立場を変えて電気の仕事ができないか——エージェントに相談したのは、まさにこの切り分けができたからです。

あなたの場合はどうでしょうか。

  • 立場がキツい(仕事自体は嫌いではない)→ 発注者側・元請け側など、立場を変える転職で解決しうる。積んだ経験はそのまま武器になります
  • 仕事そのものが合わない → 異業種も含めて考える段階です
  • 判断がつかない → まず自分の労働時間を記録して、状況を客観視するところから。私はそこから始めました

サブコンを出たら、悩みの大半が「存在しなくなった」

私はその後、デベロッパー(発注者側)へ転職しました。移って気づいたのは、悩みが「解決した」のではなく、悩みそのものが存在しない世界だったことです。

  • 土日祝日が、当たり前のように休み
  • 8時に現場朝礼ではなく、9時にオフィスまたは在宅で始業
  • 定時に帰れる日が多い
  • 元請けの工程に対し、金曜の夜に怯えることがない

小さなことですが、服装の変化も印象に残っています。現場時代は作業着のズボンにスポーツウェアを羽織り、安全靴——身だしなみに気を配る余裕すらなく、途中からはそれが普通だと麻痺していました。転職後、スーツに革靴で出勤するようになって、「身だしなみを整えて社会に出る」という当たり前の感覚を取り戻した実感がありました。

振り返ると、サブコン時代に一番キツかったのは、元請けの遅れと、設備系への扱いでした。自分が思ったとおりに事が進むことが、極端に少ない。いろいろなパターンを常に考えておく必要があり、考えること自体に疲れていました。

ただ、この考え方は、今の仕事で役に立っています。今は、ほぼ予定どおりに仕事を進められます。思いどおりにいかないことがあっても、サブコン時代に比べたら大したことはないと思えます。他人に左右されにくい仕事ができるのは、精神的に相当楽です。

立場を変えた転職を実際にどう進めたかは、こちらに全記録があります。

施工管理からデベロッパーへ転職した話|準備1年・活動2ヶ月の全記録

サブコンを辞めたいと思ったら|今日からの3ステップ

ステップ1:キツさの原因を「6つの場面」に当てはめる

この記事の6つの場面(元請けのしわ寄せ・扱いの差・板挟み・働く前提の違い・遠い現場・消える代休)のうち、自分のキツさはどれに当てはまるか仕分けてみてください。当てはまるものが多いほど、それは立場の問題です。

ステップ2:「立場を変える」選択肢を知る

発注者側(デベロッパー)、元請け側、コンサル——施工管理の経験が評価される「サブコンの外」は意外とあります。仕事を捨てるのではなく、立場だけ変える。私が選んだのはこの道でした。

ステップ3:業界特化のエージェントに市場価値を聞く

私は1社目で、サブコンの実情が通じないと感じました。3社目でようやく、下請けの構造も消える代休も説明なしで理解してくれる担当者に出会えています。「サブコンから立場を変えたい」という相談が、そのまま通じました。

登録したからといって、転職しなければいけないわけではありません。「自分の経験が、サブコンの外でどう見られるか」を聞くだけでも、判断材料が1つ増えます。

まとめ|あなたが弱いのではなく、消耗する構造の中にいるだけ

サブコンのキツさの正体は、元請けのしわ寄せを吸収する立場、設備系への扱いの差、ゼネコンと職人さんの板挟み、働く前提の違う現場、遠い現場、消えていく代休——個人の頑張りでは変えられない構造でした。

サブコンで消耗しているのは、あなたが弱いからではありません。消耗する構造の中に立っているからです。そして、その構造の外に出ても、あなたの経験と「この仕事が好きだ」という気持ちは、そのまま持っていけます。

「そもそも辞めたい気持ちが甘えなのでは」と迷っている方はこちらから。

施工管理を辞めたいのは甘えじゃない|6年続けて転職した私の結論

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