施工管理のみなし残業は損?3社で残業代の払われ方を比べた

砂時計に手を乗せて見下ろす人物のピクトグラム|施工管理のみなし残業 転職体験記
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求人票の「みなし残業」「固定残業代」という言葉を見て、身構えたことはありませんか。

「みなし残業がある会社は、どうせ忙しいんじゃないか」「決まった時間を超えても、残業代は出ないんじゃないか」——施工管理で働いていると、そう感じるのも無理はないと思います。

私は電気サブコンで施工管理を6年経験し、28歳でデベロッパー、31歳で設備系コンサルタントへ転職しました。この3社で、残業代の払われ方は3通りとも違いました。

この記事では、3社での残業代の実際と、転職するときに「みなし残業」の会社をどう見極めたかを書きます。

結論|損か得かは「みなし」かどうかより、実際に何時間働くかで決まる

先に結論を書きます。

みなし残業そのものが損なのではありません。損かどうかを決めるのは、実際に何時間働いて、その分がきちんと払われるかです。

私がいちばん損をしていたのは、みなし残業の会社ではなく、勤務表に書いた分だけ残業代が出るはずのサブコン時代でした。逆に、みなし残業の今の会社では、みなしの時間を超えたことがありません。

  • 損をしていたのは、上限を超えた分がサービス残業になっていたサブコン時代
  • 今の会社はみなし残業。みなしの時間を超えたことはない
  • 大事なのは制度の名前ではなく、実際の残業時間。求人票の数字だけで判断しない

3社で、残業代の払われ方はこう違った

項目電気サブコンデベロッパー設備系コンサル(今の会社)
残業代の仕組み勤務表に書いた時間の分。ただし基本は月30時間まで残業した分だけみなし残業(超えた分は別に出る)
実際の残業月平均71時間月15〜20時間くらい月10時間以下
払われなかった残業年386時間なしなし
感じたことおかしいと思いながら、仕方ないと思っていた残業した分出るのは当たり前みなしの時間を超えたことがない

3社のうち、残業代の面で損をしていたのは、サブコン時代だけでした。

サブコン時代は、残業代が年収の約4分の1を占めていました。年収の中身がどうなっていたのかは、こちらに書きました。

サブコン施工管理の年収は残業代が4分の1|毎月の給料なら3割だった

サブコン時代|勤務表の時間分。ただし上限は30時間

サブコン時代の残業代は、勤務表に書いた時間の分が出ていました。給与明細には「時間外手当」と載っていました。

ただし、基本は月30時間までです。当時の会社のルールでは、年に6か月分だけは30時間の上限を超えて、45時間まで残業代が出ました。30時間(または45時間)を超えた分は、サービス残業です。残業代は出ません。

だから、勤務表の残業は、毎月30時間か45時間のどちらかにきれいに揃っていました。現場の忙しさは月によって全然違うのに、です。上司からは、「規定の時間を超えないように工夫しなさい」と言われていました。

私は1年間、実際に働いた時間を毎日記録しました。

  • 勤務表上の残業: 年470時間
  • 実際の残業: 年856時間(月平均71時間)
  • 差(残業代なし): 年386時間

払われていない残業が、年に386時間ありました。記録のある1年で計算すると、その分の残業代が払われていたら、年収は約16%多かったことになります(会社が実際に払っていた単価での試算です。法律どおりの計算とは多少違います)。

おかしいと思っていた。それでも「仕方ない」と思った理由

新人のころ、まだ残業が30時間に収まっていたときに、先輩から仕組みを聞きました。その頃から、おかしいと思っていました。自分がサービス残業をするようになってからも、同じように思っていました。

それでも「仕方ない」と思ってしまったのは、次の理由からです。

  • サービス残業をしないと、現場が終わらない
  • そのツケは自分に返ってくるから、やるしかない
  • 周りの先輩も上司も、サービス残業が当たり前という空気だった
  • 残業を減らそうという意識が、先輩からは感じられなかった
  • 上司は「減らそう」と言うけれど、上司自身も遅くまで残っていて、具体的な対策もなかった

今思えば、残業をしない工夫をする努力が足りなかったという反省もあります。ただ、それをやると一人だけ浮いて見られるので、当時の私には、おそらくできなかったと思います。

誰か一人が悪いのではなく、職場全体の空気と、現場が回らない構造がそうさせていました。

1年分の記録の中身と、この差に気づいた日のことは、こちらに書きました。

施工管理の残業は月何時間?|1年記録したら月71時間だった

デベロッパー時代|残業した分だけ手当が出た

デベロッパーでは、残業した分だけ時間外手当が出ました。勤務表のシステムに記録するだけです。

正直、残業した分が出るのは当たり前だと思いました。それに、30時間や45時間を超えることはほとんどなく、残業は月15〜20時間くらいに減りました。忙しい時期でも月20〜30時間です。

サービス残業のように損をしている感じがなかったので、残業を苦に感じませんでした。記録するのに、つけにくさもありません。そもそも、大げさに多い残業をしていなかったからです。

今の会社|みなし残業。超えたことがない

今の設備系コンサルは、みなし残業です。決まった時間分の残業代が、毎月の給与に含まれています。みなしの時間を超えたら、その分の残業代は別に出ます。

ただ、私はみなしの時間を超えたことがありません。毎月、みなしの範囲に収まっています。みなしの時間より少ない月でも、その分の残業代はもちろん給与に含まれています。

残業が少ない理由は、2つあります。

1つ目は、他人の工程に左右されにくく、自分のペースで仕事を進められることです。サブコン時代は、元請けの遅れがそのまま自分の残業になりました。今は、ほぼ予定どおりに仕事が進みます。

2つ目は、在宅勤務が中心で、移動の時間がかからないことです。打ち合わせもWeb会議が多く、現場に行く業務も限られています。仕事に使える時間を確保しやすい働き方です。

転職で、みなし残業の会社をどう見極めたか

「みなし残業」という言葉は警戒していた

2回目の転職のとき、求人票の「みなし残業」「固定残業代」という言葉は、正直警戒していました。

たとえば、月40時間残業して、みなしが20時間だったとします。残業代として給与明細に出てくるのは、超えた20時間分だけです。みなしの20時間分も給与には含まれていますが、明細の上では見えないので、損をした気分になりそうだと思っていました。それに、「みなし残業の会社は忙しい」という思い込みもありました。

先輩社員2人とエージェントで、裏付けを取った

考えが変わったのは、内定をもらったあとです。すでに働いている先輩社員と話す機会があり、「みなしの時間を超えることは、ほぼない」と言われました。

1人ではなく2人から同じことを言われたので、確信が持てました。エージェントにも確認してもらい、裏付けを取りました。

それで、入社前にこう考えました。これでみなしの時間を超えるなら、それは会社のせいではなく、自分のやり方が悪いということ。だから、工夫しなきゃいけない——と。

求人票の数字だけを信じない

この経験から言えるのは、求人票の数字だけを信じないということです。一番確実なのは、すでに働いている人に聞くことです。できれば1人ではなく、複数人に聞いてください。

エージェントに頼めば、先輩社員と話す機会を作ってもらえることが多いです。私の場合、内定をもらって迷った会社は、全部面談の機会を作ってもらえました。

エージェントにも聞いてみてください。ただし、エージェントの情報は企業の採用担当から来ています。実務をしている人の話ではないので、実際の残業時間までは把握していないこともあります。配属予定の部署の先輩社員に聞くのが、いちばん確実です。

エージェントとの面談で何を聞かれ、担当者をどう選んだのかは、こちらに書きました。

転職エージェント面談で聞かれたこと|施工管理が「業界に詳しい担当者」を選ぶ方法

なお、みなし残業(固定残業代)は、名前にかかわらず、決まった時間分の残業に対して定額で払われる手当のことです。国も、求人の段階で固定残業代をきちんと表示するよう、会社に求めています。制度の細かい決まりは、厚生労働省の案内で確認してください。

出典:静岡労働局「固定残業代を賃金に含める場合は、適切な表示をお願いします。」/厚生労働省「確かめよう 労働条件」

みなし残業が不安なら|今日からできる3ステップ

ステップ1:自分の残業を記録する

まずは、今の自分が実際に何時間働いているかを記録してください。勤務表の残業と、実際に働いた時間。この2つをメモするだけです。数字が出れば、みなし残業の求人を見たときに、得か損かを自分の数字で比べられます。

ステップ2:求人票のみなし時間を、実際の残業と比べる

求人票に「みなし残業◯時間」とあったら、その時間と、ステップ1で記録した自分の残業を並べてみてください。ただし、求人票の数字はあくまで入り口です。本当の残業は、ステップ3で確かめます。

ステップ3:エージェントに登録して、先輩社員と話す機会を頼む

みなし残業の会社の本当の残業時間は、外からは分かりません。業界に詳しいエージェントに登録して、内定が出たら、配属予定の先輩社員と話す機会を作ってもらうのが近道です。

登録したからといって、転職しなければいけないわけではありません。今の残業が多いのか少ないのか、ほかの会社ではどうなのかを知るだけでも、判断の材料が増えます。

まとめ|制度の名前より、実際の残業時間を見る

3社で働いて分かったのは、残業代で損をするかどうかは、「みなし残業」かどうかでは決まらないということです。

私がいちばん損をしていたのは、上限を超えた分がサービス残業になっていたサブコン時代でした。みなし残業の今の会社では、みなしの時間を超えたことがありません。

求人票の「みなし残業」を見て不安になったら、制度の名前ではなく、その会社で実際に何時間働くのかを確かめてください。いちばん確実なのは、そこで働いている人に聞くことです。

サブコンから発注者側へ移った私の転職の全体像は、こちらにまとめています。

施工管理の転職まとめ|サブコン6年→発注者側へ移った私の全記録

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