施工管理を辞めたい。でも、転職して年収が下がるのが怖い。
施工管理の給料は、残業代に支えられている部分が大きいです。「残業がなくなったら、生活できるだけの年収が残るのか」と不安になるのは、自然なことだと思います。
私は電気サブコンで施工管理を6年経験し、28歳でデベロッパー、31歳で設備系コンサルタントへ、2回転職しました。
この記事では、2回の転職で年収が実際にどう動いたかを、自分の給与明細から作った図で見せます。あわせて、内定のときに年収をどう比べたか、年収よりも大事だと思った「時間単価」についても書きます。
結論|2回とも、下がったのは1年目だけだった
先に結論を書きます。
2回の転職とも、転職した年の年収は少し下がりました。ただ、どちらも翌年に取り戻し、そこから上がっています。
1回目の転職では、サブコン最後の1年と比べて、デベロッパー2年目に約20%アップしました。2回目の転職では、デベロッパー最後の1年と比べて、今の会社の2年目に約11%アップしています。
そして、年収以上に変わったのが、働いた時間あたりの給料です。私の推計では、時間単価はサブコン時代の約2倍になりました。
- 転職した年は、年収が少し下がる(2回とも約4%)
- 翌年に取り戻して、そこから上がった
- 年収だけでなく、時間単価で比べる
2回の転職で、年収はこう動いた
下の図は、サブコン最後の1年の年収を100として、転職の前後の年収を並べたものです。

2回とも、転職した年に少し下がり(約4%)、翌年から伸びるという同じ形になりました。サブコン最後の1年と比べると、デベロッパーの2年目で120、今の会社の2年目で134です。
比べるときの注意|転職した年は2社が混ざる
転職の前後で年収を比べるとき、1つ困ったことがありました。
1回目の転職は、年の途中でした。転職した年は、サブコンとデベロッパーの2社分の給料が混ざっています。その年の年収や源泉徴収票を見ても、正しく比べられません。
そこで、転職後の給与明細を1年分足し算して、サブコン時代の丸1年と比べました。結果は、ほぼ同じでした。
1年目に下がった理由
下がる覚悟はしていた
1回目の転職の前、年収が下がる不安はありました。維持できればよいけれど、最悪、残業が月10〜20時間の間に収まるなら、下がってもいいと思っていました。
試用期間があり、最初の賞与が満額出ないことも分かっていたので、下がる覚悟はしていました。ただ、「いくらまでなら」という金額の線は決めていませんでした。
1回目|試用期間と、最初の賞与
1回目の転職で1年目の年収が上がらなかった理由は、2つです。
- 試用期間が3ヶ月あった
- 最初の賞与が、満額出なかった
試用期間と賞与のことは、転職する前から分かっていました。ただ、実際にどれくらい減るのかを確かめたのは、最初の賞与が出る前の月でした。担当のエージェントに聞くと、「それが普通です」という答えでした。
それでも、年収はサブコン時代とほぼ同じでした。残業が大きく減ったのに、です。サブコン時代の年収の中身がどうなっていたのかは、こちらに書きました。
サブコン施工管理の年収は残業代が4分の1|毎月の給料なら3割だった
2回目|試用期間・賞与に加えて、残業代
2回目の転職では、1年目の年収は前の年より下がりました。理由は3つです。
- 試用期間があった
- 試用期間の影響で、最初の賞与が満額出なかった
- 残業代が、シンプルに減った
今の会社はみなし残業です。みなしの時間を超えたことがないので、デベロッパー時代のように、残業した分の手当が上乗せされることはありません。
下がった翌年は、住民税が少し下がった
1年目に年収が下がった影響は、翌年にも出ました。
住民税は、前の年の1月〜12月の所得をもとに計算されます。そのため、1年目に年収が下がった翌年は住民税が少し下がり、手取りが少し増えた感覚がありました。
出典:総務省「個人住民税」
とはいえ、手取りの感覚そのものは、転職の前と後で正直同じです。
2回の転職で分かったのは、転職の年収は、1年目だけで判断しない方がいいということです。
内定のとき、年収をどう比べたか
内定をもらったとき、提示された条件をどう比べるかでも迷いました。
私が受け取った内定通知書には、年収は書かれていませんでした。書かれていたのは月の支給額です。手取りがいくらになるかも書かれていませんでした。
私が比べた相手は、サブコン時代の残業代込みの年収です。そのために、次の手順で、内定先の手取りをざっくり見積もりました。
| 手順 | やること |
|---|---|
| 1 | 今の会社の「手取りの割合」を出す(手取り ÷ 年収) |
| 2 | 内定先の年収を見積もる(月の支給額 × 12か月 + ざっくりの残業代[月10時間 × 12か月]+ 賞与) |
| 3 | 2の年収に、1の割合をかけて、ざっくりの手取りを出す |
手取りの割合は、給与明細の控除(税金や社会保険料など)から出せます。
年俸制の会社なら、年収がはっきり書かれているので判断しやすいです。そうでなければ、このようなざっくりの計算が必要だと思います。
内定が複数出たときに、年収を含めてどう選んだのかは、こちらにまとめました。
転職の内定が複数で迷ったら|3社から選んだ判断軸と年収交渉の後悔
年収より「時間単価」で比べる
もう1つ、年収と一緒に比べてほしいものがあります。時間単価です。
私は、年収が同じでも、残業が4分の1になったなら得だと考えました。お金の勉強をしていたときに見た動画で知った考え方です。
時間単価は、毎月の給料(残業代・手当を含む)を、1か月に仕事で使った時間で割って出します。ポイントは、通勤や朝の準備の時間も、仕事で使った時間に含めることです。
私の3社を、この方法で比べてみました。

| 会社 | 1か月に仕事で使った時間 | 時間単価(サブコン=1) |
|---|---|---|
| 電気サブコン | 約290〜330時間 | 1 |
| デベロッパー | 約220時間 | 約1.5倍 |
| 設備系コンサル(今) | 約200時間 | 約2倍 |
給与明細から出した毎月の給料と、1日の所定労働時間(休憩を含め8.5時間)・残業・通勤・朝の準備30分をもとにした推計です。サブコン時代は在宅勤務などなく、毎日、片道1〜2時間かけて現場へ通っていました。今は在宅勤務が中心で、通勤の時間がほとんどありません。
サブコン時代と比べると、デベロッパーでは年収が約1.2倍、時間単価は約1.5倍でした。今の会社では、年収が約1.3倍、時間単価は約2倍です。年収の伸びより、時間単価の伸びの方がずっと大きいということです。
サブコン時代の月71時間の残業には、勤務表に書けなかったサービス残業も含まれています。1年間、実際に働いた時間を記録した中身は、こちらの記事に書きました。
年収が下がる転職をしてもいい人
私は、年収が下がる転職は、基本的にはすすめません。
転職するなら、働く環境がよくなり、年収も上がる転職を、まず探してほしいです。施工管理の経験があれば、探せば見つかるというのが私の感覚です。
それでも、年収が下がってもいいという人もいると思います。たとえば、今すぐ今の会社を辞めたい人です。
その場合は、転職の軸を決めてほしいと思います。年収よりも、残業時間が0であること、やりたい仕事ができること、転勤がないこと、通勤時間が短いこと、などです。
軸がないまま辞めると、年収が下がること以外にも不満が出てきて、また辞めることになると思います。
転職は、1本のしっかりとした軸が必要です。木で言えば、幹です。幹が年収以外のところでしっかり根付いていて、それでも年収が下がってよいなら、転職しても問題ないと思います。
- 基本は、環境も年収もよくなる転職を探す(探せばある)
- 年収が下がってもいいのは、年収以外の「幹」がしっかりしている人
- 軸がないまま辞めると、別の不満が出てまた辞めることになりやすい
環境も年収もよくなる転職を見つける近道は、業界に詳しい転職エージェントを頼ることだと思います。私がエージェントとの面談で何を聞かれ、担当者をどう選んだのかは、こちらに書きました。
転職エージェント面談で聞かれたこと|施工管理が「業界に詳しい担当者」を選ぶ方法
年収が不安なら|今日からできる3ステップ
ステップ1:今の手取りの割合と、時間単価を出す
給与明細を1年分そろえて、手取りの割合(手取り ÷ 年収)を出してください。あわせて、1か月に仕事で使った時間(通勤・準備を含む)をメモして、時間単価を出します。今の自分の数字があれば、求人を見たときに比べられます。
ステップ2:求人や内定の月の支給額から、手取りを見積もる
求人票や内定通知書の月の支給額から、上の表の手順で年収と手取りをざっくり見積もってください。年収だけでなく、残業時間と通勤時間も並べて、時間単価で比べます。
ステップ3:エージェントに登録して、年収も上がる求人を探す
環境も年収もよくなる求人は、自分だけで探すより、業界に詳しいエージェントに聞く方が早いです。
登録したからといって、転職しなければいけないわけではありません。今の自分の年収と時間単価が、ほかの会社と比べてどうなのかを知るだけでも、判断の材料になります。
まとめ|年収は1年目で判断しない
2回の転職で、年収が下がったのは、どちらも1年目だけでした。翌年に取り戻し、そこから上がっています。
そして、年収以上に変わったのは時間単価でした。サブコン時代と比べて、年収は約1.3倍、時間単価は約2倍です。
転職で年収が下がるのが怖いなら、1年目の数字だけで判断せず、時間単価まで含めて比べてみてください。
サブコンから発注者側へ移った私の転職の全体像は、こちらにまとめています。


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