施工管理の30代転職は遅くない|発注者は経験者を待っている

書類を手に前へ踏み出す人物のピクトグラム|施工管理の30代転職 転職体験記
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「施工管理の転職、30代だともう遅いのかな」——そう考えて、手が止まっていませんか。

転職サイトを見ると「若いほうが有利」という言葉が並び、30代の自分は出遅れた気がしてくる。その不安、よく分かります。

でも、建設業で経験を積んできた人に限って言えば、30代の転職は遅くありません。むしろ、ちょうどいい時期です。

私は電気サブコンで施工管理を6年経験し、28歳でデベロッパー、31歳で設備系コンサルタントへ転職しました。今は発注者側で働いています。自分が転職してきた経験と、その後に中途で入ってくる人たちを何人も見てきた経験——その両方から、言えることがあります。

この記事では、なぜ建設業の経験者にとって30代が「遅くない」どころか適齢期なのかを、私が実際に見てきた職場の実情をもとに書きます。あわせて、30代転職の正直なデメリットも隠さずお伝えします。


結論|経験を積んだ建設業の人にとって、30代はむしろ適齢期

先に結論です。

サブコン、ゼネコンなど、建設業で専門的な知識を積んできた人にとって、30代の転職は全く遅くありません。 それどころか、この年代こそが求められています。

理由は、はっきりしています。発注者側(デベロッパーや設備コンサル)の仕事は、現場の経験がないと務まらないからです。経験を積むには年数がかかる。だから、採用する側も「経験を積んだ30代」を求めることになります。

私自身が31歳で転職し、その後に入ってくる中途の人たちを見てきて、はっきり感じます。この業界は、経験を積んだ30代を”待っている”のです。

  • 建設業の経験者にとって、30代の転職は遅くない。むしろ適齢期
  • 発注者側は「経験がある人」しか採れない。だから30代が求められる
  • ただし、年齢が下の層になるなど、正直なデメリットもある

念のため補足すると、この記事は「施工管理の経験がある人が、施工管理を出て発注者側へ移る」話です。未経験から施工管理を目指す話ではありません。すでに現場を知っている人に向けて書いています。


なぜ30代が「早い」のか|私が見た職場の年齢事情

「30代が適齢期」と言われても、ピンとこないかもしれません。私が実際に見てきた、発注者側の職場の実情をお話しします。

転職したとき、私は「会社で3番目に若かった」

私が31歳で今の設備コンサルに入ったとき、会社全体で3番目の若さでした。

一番若い人で30歳2ヶ月ほど、次が30歳6ヶ月ほど、その次が31歳の私。30代前半で、すでに「若手」の枠だったのです。

そして、私が入社した後に新しく入ってくる人を見ると、一番多いのは38歳から45歳です。30代後半から40代半ばが、中途採用の中心。この年齢構成を目の当たりにして、「30代の転職は、この業界ではむしろ早いほうなんだ」と実感しました。

設備コンサルへの中途入社年齢の分布|38〜45歳が最多で、30代前半は若手の枠に入る

なぜ20代の中途がいないのか|経験が足りないから

理由は単純です。経験が足りないと、仕事にならないからです。

私の会社の場合、少なくとも建設業で7〜8年ほどの実務経験が求められます。施工管理でも設計でも、分野は問いません。とにかく、実際に新築や改修のプロジェクトを成し遂げた経験があるかどうかが見られます。

大卒だと23歳が1年目なので、8年の経験を積むと、ちょうど30歳前後になります。高卒なら8年で26〜27歳ですが、私の会社ではその年代の実例はありません。経験さえあれば20代でも採用されますが、そもそも20代で7〜8年の実績を持つ人は少ない。だから、結果的に30代が中心になるのです。

ちなみに、これは最初の転職先だったデベロッパーでも、基本的に同じでした。求められる経験の年数が少し早まる程度で、「経験がないと入れない」という構造は変わりません。


評価されるのは「肩書き」ではなく「実績」

ここで、大事なことをお伝えします。評価されるのは、有名企業の肩書きではなく、自分で成し遂げた実績です。

私が評価されたのは、規模ではなく「一人でやり切った」実績

私自身、傍から見て規模の大きなプロジェクトや、有名な建物に携わってきたわけではありません。それでも転職で評価されたのは、一人現場を任され、現場代理人として工程・予算・品質をすべて自分で決めて建物を完成させたという実績でした。

大きさではないのです。「自分で最後までやり切った」という経験そのものが、発注者側では価値になります。

有名企業に3年より、現場を成し遂げた実績

逆の例で考えると、分かりやすいと思います。

世間的に有名な一流企業に在籍していたとしても、在籍3年では「現場や設備、建築のことはまだ分からないよね」と思われるのが自然です。新築や改修のプロジェクトに加わるには、ある程度、腰を据えて経験を積んだ実績が要る。

だから、「どこにいたか」より「何を成し遂げたか」。肩書きに自信がなくても、現場でやり切った経験があるなら、それが一番の武器になります。


経験者の価値は、こういうところに出る

「現場の経験が武器になる」と言葉で言っても、抽象的かもしれません。私が発注者側で実際に経験した、具体的な場面をお話しします。

受電日を「2ヶ月前」から「3ヶ月前」へ直した話

あるプロジェクトの工程表を確認していたとき、受電日(電力会社から電気を受け、建物に電気を通す日)の設定が、竣工日の約2ヶ月前になっていました。

私は「これは3ヶ月前にしたほうがいい」と指摘しました。理由は2つ。

その建物は、キュービクル(受変電設備)の面数が、一般的な建物より多かったこと。そして、高層で、受電後に試験・確認する盤類の数が非常に多かったことです。

受電したら、設置された盤の一面ごとに、絶縁抵抗試験、相回転試験、電圧試験、警報などの対向試験——こうした試験を、盤の数だけこなしていく必要があります。盤が多ければ、その分だけ試験にかかる日数も積み上がる。現場でこの作業をやってきたから、「盤の数を考えると、2ヶ月では足りない」と具体的に分かったのです。

受電の段取りが、なぜそれほど重要なのかは、こちらに詳しく書きました。

受電の段取りと準備|電力会社と消防を最優先にする理由

新卒との違いは「実際に何が起きるか」を知っているか

一方、新卒で発注者側に入った人を見ていると、受電日については「竣工の2〜3ヶ月前の枠に入っていればいい」という、大まかな感覚で捉えている印象です。「試験が多い」ということは分かっても、その”多い”が、具体的にどんな試験を、どれだけの量こなすことなのかまでは、イメージできていない。この解像度の差が、経験者の価値です。

もちろん、彼らが劣っているという話ではありません。現場を経験していないのだから、当然です。新卒が学ぶのは建築の知識が中心で、電気設備の細かい実態までは、机の上では身につきにくい。

だからこそ、現場を知っている経験者が入ると、大きな戦力になるのです。図面の数字が、実際の作業とどう結びつくか。それが肌で分かる人材は、発注者側では貴重です。

現場と発注者、両方の立場を知っていることがどう武器になったかは、2回目の転職の記録に書いています。

デベロッパーを3年で辞めた理由|設備系コンサルへ2回目の転職記録


正直に言う|30代転職の、こんなデメリット

ここまで「30代は適齢期」と書いてきましたが、いいことばかりではありません。正直なデメリットも、隠さずお伝えします。飛び込んでから「こんなはずじゃ」とならないように。

職場で「一番年齢が下の層」になる

前の会社では中堅・中間層だったとしても、転職すると、一番年齢が下の層になることが多いです。特に30〜31歳あたりで転職すると、周りは年上ばかり、という状況になります。

新入社員がやるようなことを、もう一度やる

これは地味にこたえます。会議室の準備、資料の用意、会議のスケジューリング——新入社員が担うような雑務を、また自分でやることになるのです。

前職で30歳くらいまで働いていた人なら、こうした雑務は後輩に頼めていたはずです。でも、転職すれば後輩はいません。一番下として、自分でやる。この「逆戻り感」は、覚悟しておいたほうがいいです。

社歴では最下位。年下の先輩に、謙虚に

30代後半から40代で転職する場合は、また別の難しさがあります。社歴が一番浅くなるので、自分より年齢は下でも、社歴は上、という人が必ずいます。

ここで、「自分のほうが年上だから」と偉そうにすると、うまくいきません。 言い方は選びますが、年下の先輩は、年上の中途がとる態度に、とても敏感です。これは私自身もそう感じますし、周りの同年代も同じ感覚を持っています。年齢ではなく、その職場では新参者だという自覚を持てるかどうか。ここが、転職後にうまく馴染めるかの分かれ目になります。


まとめ|自信を持って、市場に価値を売り出してほしい

最後に、一番伝えたいことを。

サブコンやゼネコンなど、建設業で専門的な知識と経験を積んできた人にとって、30代の転職は、全く遅くありません。 むしろ適正な時期です。

なぜなら、この年代でないと、採用する側も採用できないからです。経験がないと務まらない仕事だから、求人があるのは、まさにこの年代。あなたが「遅いかも」と迷っているそのタイミングこそ、発注者側が経験者を待っている時期なのです。

自分に知識と経験があるなら、自信を持って、市場に価値を売り出してください。 出遅れているのではありません。ちょうど、求められる場所に立っているのです。

もし、自分の経験がどう評価されるのか、どう売り出せばいいのか迷ったら、転職エージェントに相談するのが一番の近道です。「自分の経験が、発注者側でいくらの価値になるのか」を聞くだけでも、判断材料が増えます。 登録したからといって、転職しなければいけないわけではありません。

なお、「何年目で動くべきか」という年次の観点は、こちらの記事で別途まとめています。あわせて読むと、動くタイミングの判断がしやすくなります。

施工管理の転職は何年目がベスト?6年目で転職した私の結論

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