1級電気工事施工管理技士は転職で有利?実際は「有利」より重い意味があった

入場券を手にした人のピクトグラム|1級電気工事施工管理技士と転職 転職体験記
記事内に広告が含まれています。

「1級電気工事施工管理技士を取ると、転職に有利になりますか?」——電気の施工管理をしていれば、一度は考える疑問だと思います。勉強は大変だし、実務で忙しい中で挑戦する価値があるのか、迷いますよね。

私は電気サブコンで施工管理を6年間経験し、5年目に1級電気工事施工管理技士を取得、6年目にデベロッパーへ転職しました。この記事では、実際の転職活動で資格がどう効いたのかを、エージェントに言われた言葉や求人票の実態も含めて、正直に書きます。

先に言うと、この資格の実際の意味は「有利」という言葉では足りませんでした。

結論|1級電気工事施工管理技士は「有利になる資格」ではなく「土俵に上がる入場券」

転職活動を終えた私の結論はこうです。この資格は、持っていると有利になるものではなく、持っていないと選考の土俵にすら上がれない「入場券」でした。

理由はシンプルで、私が転職活動で見た求人票は、そのほとんどが「1級電気工事施工管理技士の取得」を応募の必須条件にしていたからです。歓迎条件(あれば尚可)ではなく、必須条件。つまり資格の有無は「加点されるかどうか」ではなく、「応募できるかどうか」を分ける線でした。

「有利になるか?」という問いは、実は問いの立て方が違っていて、正しくは「この資格がないと、行きたい会社の選考が始まらない」——これが、電気施工管理の転職市場で私が見た実態です。

エージェントに言われた言葉|「資格がないと、おすすめしたい会社を紹介できない」

このことを最初に突きつけられたのは、転職エージェントとの面談でした。

エージェントいわく、1級電気工事施工管理技士を持っていないと、紹介できる会社が大きく限られる。エージェント側に「この人に合う、おすすめしたい会社」があっても、求人票の必須条件を満たしていなければ、そもそも紹介ができない——という話でした。

つまり資格の有無は、選考が始まる前の「紹介リストの段階」で効いています。求人サイトを自分で眺めているだけでは気づきにくいですが、エージェント経由の転職では、資格がないと見せてもらえる選択肢の数から違ってくるわけです。

面接では、資格について一度も聞かれなかった

意外に思われるかもしれませんが、約10社の選考を受けた中で、面接で資格について聞かれた記憶がほとんどありません。

最初は不思議でしたが、考えれば当然でした。求人票の必須条件になっている以上、面接に進んでいる時点で「資格は持っていて当たり前」。面接で確認する必要がないのです。

これは資格取得を目指す方に伝えたい大事なポイントで、資格は面接でアピールする武器ではありません。面接で評価されるのは実績や経験の中身です(私の場合は一人現場の経験でした)。資格の仕事は、その面接の場に自分を立たせること——書類選考を通し、紹介リストに載せてもらうことです。役割を正しく理解しておくと、「資格を取ったのにアピールできなかった」という肩透かしを感じずに済みます。

面接で実際に何が評価されたかは、こちらの記事に詳しく書いています。
施工管理からデベロッパーへ転職した話|準備1年・活動2ヶ月の全記録

面接で実際にどんな質問をされ、何が評価されたのか——2回の転職の面接記録はこちらです。
施工管理の転職面接で聞かれたこと|2回の転職で経験した質問と答え方

年収への影響|資格手当「毎月1万円」の実例

お金の面でも、資格は具体的に効きます。私が選考を受けた会社の中には(最終的には辞退した会社ですが)、1級電気工事施工管理技士の取得者に資格手当として毎月1万円を支給するところがありました。年間で12万円。資格ひとつで、同じ仕事をしても年収が12万円変わる計算です。

資格手当の有無や金額は会社によって様々ですが、「資格が直接、毎月の給与に反映される」制度は建設・設備業界では珍しくありません。転職の選考で入場券として効き、入社後は手当として効く——取得の労力に対して、リターンは長く続きます。

私のタイムライン|5年目に取得、そのまま転職活動へ

参考までに、私の時系列を書いておきます。

  • 5年目
    →1級電気工事施工管理技士を取得。
    同じ年に転職サイトへ登録し、転職活動の準備(エージェント選定・自己分析)を開始
  • 6年目
    →応募・面接を経て、デベロッパーへ転職

振り返ると、この順番は正解でした。資格を取ってから動いたことで、最初のエージェント面談の時点で「必須条件を満たした状態」で紹介リストを見られたからです。もし資格なしで活動を始めていたら、限られた選択肢の中で判断することになっていたはずです。

「何年目に転職すべきか」という視点での振り返りは、こちらにまとめています。
施工管理の転職は何年目がベスト?6年目で転職した私の結論

資格を取ってから動くべきか?|判断の目安

ここまで読むと「では資格を取るまで転職は我慢すべきか」と思われるかもしれません。目安を書いておきます。

受験資格があり、あと1〜2回の試験で取れそうなら、取ってから動くのがおすすめです。入場券を持って市場に出るのとそうでないのとでは、見える選択肢がまるで違います。勉強期間は、並行して自己分析やエージェント選定を進める準備期間にもなります(私がまさにこの形でした)。

「取ったほうがいいのは分かったが、激務の中でどう勉強すればいいのか」——そう思った方へ。私が休みは日曜だけの状況で一発合格した勉強法を、こちらにまとめています。
1級電気工事施工管理技士に働きながら一発合格|日曜だけの勉強法

ただし、例外が2つあります。1つは心身にサインが出ている場合。眠れない、休日に動けない——そうした状態なら、資格を待たずに離れるべきです。健康より優先される資格はありません。もう1つは異業種への転職を考えている場合。施工管理の資格が入場券になるのは建設・不動産の土俵の話なので、業界を出るなら資格を待つ理由は薄くなります。

自分の状況がどちらに近いか迷うなら、エージェントに「今の資格・経験で紹介できる求人がどれくらいあるか」を聞いてみるのが一番確実です。資格を取ってからの市場価値と、今の市場価値を両方教えてもらえれば、待つべきかどうかの判断材料になります。

登録したからといって、転職しなければいけないわけではありません。「入場券のあり・なしで選択肢がどれだけ違うのか」を自分のケースで確かめるだけでも、資格勉強のモチベーションが変わるはずです。

まとめ|資格の本当の仕事は「選択肢を増やすこと」

1級電気工事施工管理技士は、面接で褒められる資格ではありませんでした。その代わり、求人票の必須条件を突破し、エージェントの紹介リストに載り、資格手当として給与に乗る——選択肢とリターンを静かに増やし続ける資格でした。

いま激務の中で勉強するのは本当に大変だと思います。ただ、6年目に転職した立場から言えるのは、5年目に取ったこの資格が、転職の選択肢を広げてくれたということです。取れる状況にあるなら、取ってから市場に出る。その価値は十分にあります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました